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勝つことに飢えている状況はイチローとよく似ている
大谷のWBCに懸ける思いがいかほどのものなのか、気になるファンも多いはずだ。既にメジャーで十分な実績を残している。将来の大リーグ移籍を視野にWBCをアピールの場にした過去の一部選手とは事情が異なる。
しかも今後、エンゼルスとの契約延長がなければ、23年オフにはFAとなり、WBC直後のレギュラーシーズンでの成績は重要な意味を持つ。開幕前にWBCで故障することなどはもってのほかだ。
「そんな状況でも出場を希望しているのですから、おカネのためではなく、子どもの頃から憧れたWBCで、まだ持っていない国際大会のビッグタイトルを取りにいきたいのでしょう」(前出・元代表コーチ)
大谷には、日本が2連覇した06、09年大会でずばぬけた存在感を示したイチローのようなリーダーシップも期待される。エンゼルスは長期低迷中で、大谷はプレーオフさえ未経験の状況だ。
「勝つことに飢えている状況は(弱小だった)マリナーズでプレーしていたイチローとよく似ています。大谷はメジャーでもう5シーズン、日本人選手がいない中で戦っています。(日本人と)一緒にプレーしたい気持ちもあるでしょう。28歳で迎える大会で、技術と体力はピークです。闘志を前面に出し、日本を引っ張ったイチローの再来となるかもしれません」(同前)
大谷は“大人の事情”とは無縁の、そして損得勘定を超越したプレーで早晩、列島を熱狂の渦に巻き込むに違いない。