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「法人化したら万事解決」ではない?

──『恋はインボイス』は、いかにも続編があるような終わり方も印象的でした。「続編が気になる」「ぜひ続きを描いてください」というリプライもかなり多くありましたが、いつか続編を描く予定はあるのでしょうか。

服部 ありませんね。最後のページにも「つづく」ではなく「つづかない」と描きました(笑)。そもそも、あのオチは税務ジョークのつもりなんですよ。

 女子高生個人事業主の主人公・業合花(なりあいはな)に、ライバルの事浦計士(ことうらけいじ)が「2人で一緒に…法人化しねーか?」と誘いかける場面で終わっていますけど、あの描き方だと、法人化したらインボイス問題が解決しそうに見えますよね。でも実は法人化したら万事解決、というわけではないらしいです。

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©服部昇大/ホーム社

 インボイス発行(「適格請求書」を発行できる)事業者になれるのは、消費税を納めている課税事業者だけで、法人化してもその制度は変わりません。法人化して最初の2年間は消費税の納税が免除される特別ルールもありますが、免除されている間はインボイスが発行できないため「事業者から選ばれなくなるかもしれない」という不安は払拭されず、インボイス発行事業者になるかどうかの選択をしなくてはいけないので「解決」にはならない、という話を聞きました。あくまでギャグマンガなので、そのあたりはジョーク気味にまとめてます。

──そうだったんですね。続編、読みたかったです。

服部 続編はありませんが、この作品を発表したあと、企業や税理関係の方からも「この作品を研修で使わせてほしい」「続編や書籍化の予定はないのか」とお問い合わせを多くいただいたので、「BtoBギャグマンガ」は今後も描くかもしれません。

 社会的に分かりづらい制度や利用しづらい仕組みをマンガ解説するニーズがあれば、ぜひご依頼ください(笑)。

(監修:脇田弥輝税理士)

INFORMATION

『恋はインボイス』を収録した『邦画プレゼン女子高生 邦キチ! 映子さん』8巻が、9月22日に発売されます。