インボイス制度を解説したラブコメマンガ『恋はインボイス』。作者の服部昇大さんは、なぜ社会問題をテーマにしたマンガや、パロディマンガを描いているのでしょうか。
「COMIC OGYAAA!!」で連載中の、マニアックな邦画が好きな女子高生・邦吉映子(邦キチ)が映画愛を語り上げるマンガ『邦画プレゼン女子高生 邦キチ! 映子さん』(以下、『邦キチ!』)の制作秘話についても聞きました。(全2回の2回目/前編から続く)
◆◆◆
──『邦キチ!』は、絶妙なパロディネタと深い映画愛で大人気です。時々「洋画」も登場しますが、基本的に「邦画」に絞っているのは、邦画のほうがパロディが描きやすいからですか?
服部昇大さん(以下、服部) そもそも僕が、邦画好きというのが大前提にあります。でもそれ以上に大きかったのが、映画好きの人には「洋画」好きが多いということですね。
映画をネタにしたマンガや小説は多くありますが、「邦画だけ」に特化した作品はあまりないんですよ。なので、あえて世の中と逆のことをやってみたらおもしろいかなと思って、『邦キチ!』を描き始めました。「誰もやっていないことをおもしろおかしくマンガにしたい」という思いは常にあるので。
あと、「邦画っておもしろい作品がいっぱいあるよ」ということも伝えられたらいいなあと。ギャグやパロディの多い『邦キチ!』でどこまで共感を得られるかは未知数ですが、いまは「笑い」だけでギャグマンガは読んでもらえないので、そのあたりは自分の「色」として出していこうと模索しながら描いています。
──ギャグマンガなのに「笑い」だけでは不十分なんですか?
服部 いまやマンガに限らず、おもしろいものや笑えるものは、ネットを検索したらいくらでも出てきますよね。だから、「ギャグマンガ」の生き残り自体がシビアになっていると思うんです。
なので、ある意味自分の作品に付加価値をつけようと、時事ネタとパロディを盛り込んで描いています。