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「いまは『笑い』だけでギャグ漫画は読んでもらえない」 『邦キチ! 映子さん』作者が“社会派ギャグ”を描く理由

漫画家・服部昇大さんインタビュー#2

2022/08/12

genre : エンタメ, 読書

note

服部 70~80年代のマンガはわりとなんでも好きですが、とくに70年代くらいの少女マンガの絵柄には影響を受けていると思います。美内すずえ先生の『ガラスの仮面』をはじめ主人公が白目になるなど独特の世界観が大好きで、よく読んでいました。

 なかでも強い影響を受けたのは、大和和紀先生の『はいからさんが通る』です。恋愛ロマンスなのに、ギャグ要素もふんだんに盛り込まれていて、しかも絵が最高に美しい! 憧れです。

 あと『邦キチ!』は、山本鈴美香先生の『エースをねらえ!』から影響をもろに受けています。とくに男性陣は、宗方仁コーチをはじめとする男性キャラクターの影響が如実に出ていると思います。

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『エースをねらえ!』(山本鈴美香 著、集英社)

──パロディや時事ネタは扱いが難しく、うっかりすると炎上してしまうこともあります。気をつけている点はありますか?

服部 読み終わって「あー、バカバカしい。けど、おもしろかった」と、毎日の生活を少し軽くする手助けをしてくれるようなマンガを描くように努力しているつもりです。歴史に残る作品や、誰かの心に深く残る作品も、もちろん、すばらしいですが、自分はやっぱりギャグマンガが好きなので……。

「映画について語る若人の部」部長・小谷洋一 ©服部昇大/ホーム社

『邦キチ!』も『日ペンの美子ちゃん』も、ネットで公開している以上、絶対に炎上しないとは言えませんが、普段から細心の注意を払って描いてますね。

思い入れのあるキャラクターは…

──お気に入りのキャラクターや思い入れのあるキャラクターなどがいたら教えてください。

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