遠い夜空にこだまする、龍の叫びを耳にして……

 どんなにドラゴンズが苦しい戦いを続けていても、この曲を耳にしたら胸が躍り、血が騒ぐ。「燃えよドラゴンズ!」は最初のバージョンから48年(!)経っても色褪せない、球団応援歌の歴史に残る名曲だ。

 その2022年バージョン「燃えよドラゴンズ! 希望の果てに」が8月26日にリリースされる(バンテリンドーム内の売店やドラゴンズオンラインショップなどで販売)。CDの発売は2019年以来3年ぶり。今年は“アニキ”こと水木一郎さんと作詞作曲の山本正之先生のデュエットとなる。アニキは肺がん手術後、これが初のレコーディングである。

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「燃えドラ!」といえば、その年の旬の選手たちが歌詞に織り込まれているのが名物だ。今年のメンバーはどうなっているのだろうか? 気になるあの選手はどんな扱いになっているのだろうか? 本邦初公開の歌詞も含めて山本先生に解説をお願いした。

「やっぱり四番は昂弥でしょう!」

一番 大島塁に出て
二番 続けよ岡林
三番 ビシエドタイムリー
四番 石川昂(たかや)がホームラン
いいぞがんばれドラゴンズ
燃えよドラゴンズ

 なんといっても目を惹くのが「四番 石川昂(たかや)がホームラン」だ。もともと立浪和義監督就任に合わせて、今年は順位に関係なく「燃えドラ!」を作りたいと考えていた山本先生。実際にリリースが決定し、作詞をしたのは7月半ばだったという。

「すでに(石川)昂弥は故障で一軍にいませんでしたが、歌の中で頑張ってもらうしかない! と思い立って四番にしました。やっぱり四番は昂弥でしょう!」

 もちろん、今年ブレイクした岡林勇希もスタメンに入っている。「続けよ岡林」は大島洋平に続くリードオフマンになってもらいたいという願いが込められているようにも読める。

「たしかにそうだね(笑)。レギュラーになったときから『二番 続けよ岡林』に決めてました。『二番 岡林ヒットエンドラン』はどうしても語呂が合わなかったんです(笑)。きっちり打ちますし、守備もいいし、いい選手ですよね。抜擢した立浪監督の眼力を感じました」

五番 凄いぞ阿部がゆく
六番 高橋周(しゅうへい)振りきれば
七番 木下拓(きのした)打ちまくり
八番 鵜飼がでら飛ばす
いいぞがんばれドラゴンズ
燃えよドラゴンズ

 ここで目立っているのは、八番に登場した鵜飼航丞だ。

「八番鵜飼って素敵でしょう⁉ 八番に一発が打てる選手がいるなんて、すごく期待できるじゃないですか。鵜飼はドラフト直前に大学野球の映像を見て、『これぞ中日のスラッガー!』と思っていました。江藤慎一のような雰囲気があるんです。ぜひ中日に指名してほしいと願っていたら、2位で指名されたので『ヤッター!』ですよ。もちろん、名古屋出身の選手ということも知っていました。だから、『でら飛ばす』なんです(笑)」

鵜飼航丞

 開幕当初からクリンナップを担う阿部が五番、六番には不調と故障からの復活を期す高橋周平が入った。

「阿部選手はどういう表現にしようか悩みましたが、バッティングに凄みと怖さが出てきたので『凄いぞ』にしました。周平にはとにかく期待してます! 大好きな選手だから頑張ってほしいんです」