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女性の身体に「奴隷」の文字を刃物で刻むことを要求し…「超ネット社会」“鬼畜化するデジタル性犯罪”

「韓国超ネット社会の闇」#1

2022/08/16

「博士」ことチョ・ジュビンは、ゴッドゴットの手法を模倣して、Twitterから犠牲者を選んだ。「広報アルバイト募集~簡単なアルバイトでひと月に300~600万ウォンが稼げる」という広告を掲載し、未成年者を含む若い女性を勧誘。

わいせつ動画を配信する「博士の部屋」を管理していたチョ・ジュビン。2021年、懲役42年の刑が確定した ©AFLO

 連絡をしてきた女性に、広報ではなく、オンラインデートやモデルのアルバイトなどを勧めた。チョの偽の求人に飛びついてくるのは経済的に困窮している女性が多く、彼女たちは、「自分の写真を撮って送るだけ」という言葉にだまされ、チョが勧めるアルバイトを始める。

 チョは警戒心を解くため、最初は比較的やり易い仕事ばかりを発注していたという。顔や身体のごく一部を撮って送るように要求し、写真が送られてきたらカネを振り込むと言って、名前や住所、電話番号や住民登録番号(マイナンバー)などの個人情報を聞き出すのだ。

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すべての被害女性の身体に「奴隷」「博士」などの文字を刃物で刻むことを要求し…

 個人情報が手に入ってからは、要求が急激にエスカレートしていく。「裸でパンツを頭からかぶって逆立ちをしている映像を撮れ」「服を脱いでベッドに横になり、発作を起こしたように目を覆って体を震わせる映像を撮れ」「器具を使ってマスタベーションをしている映像を撮れ」

 彼女たちが要求を断ると、脅迫が始まる。「家族と友達に知らせる」「今まで送ってきたお前の写真をばらまく」「人を家に送って殺してやる」

 チョの術中にはまった被害女性らがその後に受けた屈辱はとても言葉では言い表せない。チョは彼女らを「奴隷」と呼び、脅迫して撮影させた猟奇的なわいせつ映像を「作品」と称した。

©iStock.com

 チョはすべての被害女性の身体に「奴隷」「博士」などの文字を刃物で刻むことを要求し、彼女たちを「博士が作った奴隷」としていたぶった。