ジャーナリスト・金敬哲氏によれば、“アジア諸国ネット接続最長”の国は、一生涯のうち約4割の時間をネットに割く韓国だという調査が出ており、日本でも知られた性犯罪をはじめ様々な歪みが生まれているという。
スマートフォンが欠かせない生活になって久しい日本。インターネットに接続していることが当たり前の世の中だが、そんな日本以上の「超ネット社会」では今、何が起こっているのか。金氏の著書『韓国超ネット社会の闇』(新潮新書)より、一部を抜粋して引用する。(本文内では10ウォン=約1円としています)
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「赤ちゃん売ります」「ワクチンパス貸します」マーケットに踊る文字
22年5月時点で、加入者が2300万人にのぼる韓国のフリマアプリ「人参マーケット」。ここに行けば「売ってないものは無い」と言われ、実際に大きな人気を集めている。
ただ、多種多様な人たちが交錯する場所なだけに、思わぬ犯罪に出くわすこともある。20年10月、人参マーケットには、「赤ちゃんを売ります」という書き込みが掲載され、騒然としたことがあった。
「36週になりました。養子縁組の価格は20万ウォンです」という説明文とともに、ピンク色の布団に包まれた幼児の写真が2枚添付されたこの書き込み。
発見した利用者らが問題視してマーケット側に通報したものの、出品者は出品の取り下げも書き込みの削除も拒否。結局、マーケット側がこれを非公開とし、警察が乗り出す事態となった。
警察の調べによると、書き込みをしたのは20代の未婚の女性で、精神的に追い詰められてこのような行動に走ったのだという。その後、この幼児は保護施設に預けられることになった。