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《山口県・凶暴サル事件》人間の子供をさらうつもりだった⁉ 山口で66人を襲ったはぐれザル“犯行のワケ”

genre : ニュース, 社会

「うわーーーーーー」

 突然、部屋に響き渡った我が子の悲鳴を聞いた父親は、すぐさま息子の元にかけつけた――。

体長50センチくらいのサルが息子に襲いかかった

「忘れもしない7月17日朝7時40分のことでした。3歳の息子は1階の部屋で寝ていて、私たち夫婦と他の子供たちは2階にいました。すると、下の方から聞いたことのない息子の悲鳴が聞こえたんです。急いで階段を降りると、体長50センチくらいの黒っぽいサルが泣きじゃくっている息子の上に乗っかり、襲いかかっていました。サルは網戸から侵入したようで、私はすぐにサルを追い払いましたが、息子は右手を噛まれて血が出ていました。息子を2階に連れて行き、手当てをして病院へ向かう準備をしていました。すると、先ほど追い払ったはずのサルが再び家に侵入してきたんです。階段を上がってきて、今度は2階にいた5歳の息子の足に噛み付きました。恐怖を感じましたが、必死に追い払いました。幸い軽傷で済みましたが、今も網戸はせずに家の窓はすべて締め切って鍵をかけています。子供たちは今も怖がっています」

7月24日に撮影されたサル(山口市提供)

 

 山陽新幹線「新山口駅」から約5キロの距離にある山口市の小郡地区。周辺には山や畑があり、住宅街が広がっている。この地区でサルによる最初の被害が出たのは7月8日。その日以降、8月4日現在に至るまで、子供や高齢者を中心にのべ66人もの住民が野生のニホンザルに襲われた。空前のサル害に見舞われた住民たちはこの1カ月の間、サルの脅威を感じながら生活している。地元紙記者が語る。

「パトカーや市の職員が巡回して警戒を続けていたのをよそに、サルに噛まれる、引っかかれるの被害が相次ぎ、深刻な事態に陥っていました。山口市は7月24日から専門業者に依頼して麻酔銃での捕獲作業を始め、26日に1匹目を取り押さえています。2匹目は28日夜21時、建設会社の寮の2階廊下で顔に飛びかかってきたサルを従業員が振り払い床に押さえつけて捕獲しました。2匹はそれぞれ推定4歳の雄のサルで、1匹目は体重6.9キロ(体長48.9センチ)、2匹目は体重7.2キロ(体長54センチ)ほどありました。山里に放しても、後々人に危害を加える可能性があるとして殺処分されました」

町の掲示板にはサルへの注意喚起が ©文藝春秋

 捕獲されたサルと似たサルは、7月に小郡地区の複数の小学校に何度も姿を現していた。サルを校内で目撃した校長が語る。

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