朝日新聞の社説と同頁の名物欄「朝日川柳」に7月16日、安倍氏の国葬を揶揄する作品がズラリと並んだ。7本中7本が揃って辛辣な内容で大炎上。その選者「西木空人」ってどんな人?

朝日新聞本社 ©iStock

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「あってはならない事態だ!」編集幹部らは右往左往

〈死してなお税金使う野辺送り〉。〈疑惑あった人が国葬そんな国〉。そして☆印がついたのは、〈忖度はどこまで続く あの世まで〉。

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「朝日川柳は『声』欄に掲載されており、西木氏と『山丘春朗』氏が交代で選者を務めています。16日付けについては7本すべてが強烈な批判で、『さすがにやりすぎでは』との懸念も『声』欄の編集部にはあったようです。今回の炎上に編集幹部らは『あってはならない事態だ!』と右往左往。西木氏更迭論も囁かれたとか」(朝日新聞社員)

7本すべてが辛辣(朝日新聞7月16日付)

短い文をつなぐ独特の文体が特徴の名文家

 西木空人はペンネーム。その正体は御年81歳の朝日新聞元記者だ。都立小石川高校から早稲田大学の新聞学科を出て1965年に朝日に入社した。

「遊軍記者、横浜支局などを経て1980年代半ばに東京社会部に。85年の日航機墜落事故では指揮を執ったデスク陣の一角です。ただ本人は当局に食い込んでネタを獲るスクープ記者ではなく、短い文をつなぐ独特の文体が特徴の名文家として名が轟いていました。会社的には、ラインで出世させるよりライターとして長く書き続けてほしい考えがあったようで、社会部長や海外支局長などにはさせず、86年から論説委員となりました」(朝日OB)

 95年から6年弱、「天声人語」を担当。還暦を過ぎた2002年に退職した。