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仕事になかなか手をつけられない人は「高いフラペチーノを頼むべき」? “先延ばしグセ”を回避する意外なヒント

臨床心理士・中島美鈴さんインタビュー#2

note

先延ばし癖は“甘え”なのか

――先延ばし癖ってどうしても、周囲に相談すると「それは甘えだよ」とか「みんなちゃんとやってるよ」と言われてしまいがちです。

中島 ADHDの人の場合、先延ばししてしまうのは、脳の特徴のせい。自分の脳をペットみたいに思って、ペットの特性に応じて私がしつけてやろうぐらいに思えるといいですね。

「100ページの手引きをやらなきゃ」と思うより「まずは1ページならできそうなの? ご褒美はチロルチョコでいいの? オッケーオッケー」みたいな感じで。自分の脳の特性に応じたプランを考えて、やる気を出す仕組みを作るのが大事ですね。

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 それは自分を甘やかしてるわけではなくて、働く責任を果たそうとしている……という風に考えてあげると罪悪感が消えるんじゃないでしょうか。

――「ちゃんとしなければ」と思うよりは、そのぐらいの気持ちでいた方がいい?

中島 その通りです! 「大人だから」とか「みんなこれぐらいやってるから」という義務感を抱く人もいますよね。でも、そんなんじゃADHDの脳はやる気出ません!

――この記事を読んで「自分はADHDかもしれない」と気づいた人もいると思います。

中島 自分がADHDかもしれないと気づいたとき、最初はびっくりすると思います。「私はみんなと一緒じゃないの?」というショックもありますよね。ADHDの人もやる気スイッチが全くゼロなわけではなくて、ADHDではない人と比べて種類や角度がちょっと違うだけです。いろんなスイッチの入れ方を知るために、知識をつけておくといいですね。

ADHD脳で困ってる私がしあわせになる方法

中島美鈴

主婦の友社

2021年2月27日 発売

仕事になかなか手をつけられない人は「高いフラペチーノを頼むべき」? “先延ばしグセ”を回避する意外なヒント

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