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“自殺の名所”東尋坊で撮影した《自殺しようとする人の背中》が語るもの「発達障害で虐待」「就活失敗。母に負担をかけたくない」――2022年上半期BEST5

“自殺の名所”東尋坊で撮影した《自殺しようとする人の背中》が語るもの「発達障害で虐待」「就活失敗。母に負担をかけたくない」――2022年上半期BEST5

東尋坊 #3

genre : ニュース, 社会

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《母子家庭で姉妹二人が就学中である。就活し、10回以上面接を受けたがすべて不合格になった。妹のこともあり、これ以上母に負担をかけないために自殺しに来た》

 

《新型コロナ禍の影響で仕事に就けず蓄えも無くなりアパートの家賃も払えなくなったことからアパートを追い出され、頼るところが無いため自殺しに来た》

 

《幼少のころから発達障害を患っており母親に預金通帳も取り上げられるなどの虐待を受けているため家には帰りたくなく職場を無断欠勤し自殺しに来た》

 

《両親は高学歴者で東京大学卒しか認めず大学を卒業して塾の講師をしているが常に兄弟と比較する虐待を受けており、人間失格と考えて自殺しに来た》

NPO法人「心に響く文集・編集局」が撮影した自殺企図者の姿。「母子家庭で姉妹二人が就学中である。就活し、10回以上面接を受けたがすべて不合格になった。妹のこともあり、これ以上母に負担をかけないために自殺しに来た」(NPO法人「心に響く文集・編集局」提供)

 岸壁間際で力なく佇む人たち。写真の持つ力は大きく、地元・福井のほか、各地の自殺に関連するNPO法人などで話題になってもいるという。

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 写真の人々は、断崖から身を投じる前に茂さんらから声をかけられ、思い留まった人々ばかりだ。しかし茂さんが支援している人のなかには実際に飛び降り、“死に損なった”人もいる。

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