今年4月から放送中のNHK・連続テレビ小説『ちむどんどん』。9月末の最終回に向けて残り2カ月を切る中、SNSではドラマの展開や内容を巡り「#ちむどんどん反省会」をつけてツイートする視聴者が増えている。ただ、一部では出演者や脚本家に向けて誹謗中傷とも取られるようなネガティブなものも多い。

 みなが思わず突っ込みたくなる異色の朝ドラを、より楽しむために、これまで「週刊文春」が報じてきた秘話を大放出。最終回が近づく今、もう一度読み返したい記事をあらためて公開する(初出:週刊文春 2022年5月26日号 年齢・肩書き等は公開時のまま)。

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「今から10年ほど前のことです。一目見た時に、全国区の女優になれる子だなと思いました。でも、落ち着いていて大人っぽい結菜(ゆいな)ちゃんは、明るい子が理想的なイメージガールとはちょっと違った。そこで、僕が特別枠として『沖縄美少女図鑑賞』を作って、雑誌に載ってもらったんです」

 そう語るのは、フリーペーパー「沖縄美少女図鑑」元編集長・西原伸也氏だ。

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NHKの熱烈なオファーで起用

 沖縄が舞台のNHK朝ドラ「ちむどんどん」。料理人を目指すヒロイン・比嘉暢子を演じるのが、黒島結菜(25)だ。ちむどんどんとは、沖縄ことばで「心がワクワクする」。本土復帰50年を記念した作品で、地元出身の黒島はNHKの熱烈なオファーで起用された。

「『番組に携わる人の名前を覚えたい』と100人余りのスタッフに手書きの名札を作り、初顔合わせの日に配って感激させていました。地元の少女らしさを出すために、日焼け止めを塗らず撮影に臨み、出された料理も美味しそうにたいらげています」(NHK関係者)

黒島結菜演じる暢子は三姉妹の次女(NHK「ちむどんどん」インスタグラムより)

 1997年、三姉妹の長女として生まれ、沖縄県糸満市で育った黒島。父親は脱サラして小さなIT系企業を経営し、石垣島で暮らす祖父母はパイナップルファームを運営している。実は、祖父はNAHAマラソンに15年連続で出場する健脚の持ち主。孫もその“いだてん遺伝子”を受け継いでいるという。

 第11話では暢子が陸上部の男子にかけっこで勝つシーンが描かれたが、小学校の同級生が明かす。

「結菜ちゃんは、小6の時に出場した駅伝大会で主将を務めていた。アンカーを走ってチームは優勝。中学ではバドミントンで、県ベスト8まで行きました」

「君は女優に向いている」

 そんな“体育会系少女”が芸能界入りするきっかけは11年、中3の時に母親の勧めで挑んだ「ウィルコム沖縄」のイメージガールオーディション。そこで審査員を務めていたのが、冒頭の西原氏だ。07年に同じ沖縄出身の女優・二階堂ふみを発掘し、ソニー・ミュージックアーティスツ(SMA)に推薦した実績を持つ西原氏。この時も、

「君は女優に向いている。NHKのドラマなんかぴったりだ」

 そう黒島に伝え、SMAにも推薦したという。

 ところが――。