最近、個人経営の立ち食いそば店の閉店が相次いでいる。芝大門の「六花たべりゃんせ」(6月末)、高田馬場の「吉田屋そば店」(7月末)が閉店。そして横須賀中央の名店「えびすや」も8月31日をもって閉店するという。2013年に上梓した拙著『ちょっとそばでも』に掲載された100店のうちすでに30店が閉店している。経営者の高齢化、人手不足、後継者問題、そしてコロナ禍が追い打ちをかけている。大変残念である。

 そんな中、今年5月9日にJR高崎線宮原駅から歩いて5分ほどのところに小さな個人経営の立ち食いそば店がオープンした。なんだか久しぶりに嬉しいニュースである。8月にようやく訪問することができた。

宮原は上尾と大宮の間の駅である

 JR宮原駅は大宮駅の一つ先の高崎線の駅である。昼下がりの駅に降り立つと、ちょうど長い貨物列車が通過中であった。北浦和駅と同じような構造で、ホームの上に高架の駅舎があり、改札を出て東西に階段がある。東口に出るとロータリーがあり、そこを直進して5分ほどいくとそばの幟が現れた。

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宮原駅下車、ちょうど貨物列車が通過中
東口の階段を下りていくとロータリーがある
道沿いに進むと右側にそば店が現れる

まずは「かきあげ天そば」を注文

 その店の名前は「蕎麦 陽まり(ひまり)」という。なんだかかわいい名前である。全20席と意外と広そうだ。入店すると、白を基調とした綺麗な内装である。券売機がすぐ右手にあるので、まず「かきあげ天そば」(480円)を購入し、カウンターにチケットを置いた。