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トイレからあふれる黒い水、体液が沁みた布団…女性“遺品整理人”が孤独死は「誰にでも起こりうる」と訴える理由

トイレからあふれる黒い水、体液が沁みた布団…女性“遺品整理人”が孤独死は「誰にでも起こりうる」と訴える理由

遺品整理人・小島美羽さんインタビュー#2

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 亡くなった方の部屋に4匹の猫がいて、私の実家で1匹、友だちの勤め先の女性が猫好きで2匹引き取ってくれて、でもまだ1匹の三毛猫がいたんですよね。どうしても引き取り先が見つからなくて「こうなったらもう私が飼うしかない」と思ってペット可の物件に引っ越したら、貰い手が見つかって(笑)。

小島さんのミニチュア作品にも遺された猫が。本人提供

――遺品整理・特殊清掃の業者でペットの引き取り手を探すのは、一般的なことなのでしょうか。

小島 他の業者では、保健所に連れて行っちゃうところが多いですね。私が勤めている会社では「命あるものは大事にする」という方針で、私もそうしたいんです。最近、周りに声をかけまくっているので、そろそろ貰い手がいなくなってきましたね。犬だったら結構すぐに見つかるんですけど、猫はなかなか見つからないんですよね……。

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――最後に、今回出版される漫画はどんな人に読んでほしいですか。

小島 年齢は関係なくいろんな人に読んでほしいです。話を聞くと、結構若い人も孤独死や死について、いろいろ考えているらしいんです。だから若い人にも年配の方にも「孤独死は他人事じゃない」ということを知ってもらって、じゃあ今何ができるかを考えてもらいたいですね。

 例えばお父さんやお母さんと住んでいるとして、毎日一緒にいてご飯作ってもらうのが当たり前になっていると、それが大切だって思わないじゃないですか。失って初めて大切だったと気づいても、もう遅いわけですよね。だからそうなる前に、大切な人に会いに行ったり何かやってあげたりするきっかけになればいいなと思います。

小島さん 本人提供

 あと、若い人は食事とか睡眠とか生活習慣が乱れがちじゃないですか。「若いからって死なないわけじゃないんだな」って思って、生活を見直してもらえたらいいですね。特に夏は暑いからってお酒飲んで寝る人がいるんですけど、そうすると熱中症で亡くなることもあるんです。無理をしたら死んじゃうんだなってことを、噛みしめてほしいと思いますね。

その他の写真はこちらよりぜひご覧ください。

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