同級生の息子が仙台育英の野球部に
「ホンマに!?」
2年前、中学時代に同じクラス、席も隣で仲良くしていた女の子の息子が仙台育英の野球部に入部したと知った。淡路島の親元を離れ東北へ、「大丈夫なのか?」僕の心配もよそに1年生で一桁背番号をもらい四番も打った。しかし同級生との激しい競争、下からの突き上げもある。最終学年、夏の宮城大会では背番号20でベンチ入りを果たすも甲子園大会ではメンバーからは外れてしまう。しかし補助員として元気にチームを支える彼の姿は四番を打っていたあの頃よりもたくましく成長していた。決勝戦では彼のかわりにメンバー入りした岩崎生弥が満塁ホームランの活躍で悲願の全国制覇を成し遂げた。
「かみじょうくん!」
決勝戦の後、甲子園球場からの帰り道、仙台育英のタオルを首からかけた同級生とその旦那さんとバッタリ。
「おとうちゃん、おかあちゃんもお疲れさまやったなっ」
「ありがとう。大成もがんばって最後までやりきってくれてん。精一杯やったから、悔いはない言うてたわ」
僕が高校野球を好きになるきっかけの年に仙台育英が準優勝してから34年、贔屓球団の地元チームとして応援するようになり、同級生の息子が入学してからはより特別なチームとなっていった。そしてついに優勝旗を東北にもたらしてくれた。長い道のりだった。本当におめでとうございます。
仙台育英の須江航監督は言った、このコロナ禍に全国の高校が本当にやってくれたんだと。そんな高校生達が自分もこうなりたいと憧れるプレーを今度は全プロ野球選手達がみせる番だと思う。そしてその先に我が東北楽天ゴールデンイーグルスが東北をさらに熱くさせてくれる事があるならばこんなに幸せな事はない。
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