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「上下関係は明白で、上総のほうが断然上。口が達者な上総に比べて、塚本は大人しく、いつも言いなりでした。2人の関係はずっと変わらなかった」

 少年期の中村の生活の中心は極真空手だった。

「うちに通っていたのは小学生時代の6年間。週3回の練習に真面目に取り組み、大会で入賞するほどの腕前だった。卒業してからも道場にやって来て、小さい子たちの指導をしてくれた」(空手塾塾長)

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 小学校の卒業文集には警察官だった祖父への憧れを綴り、将来の夢は「警察官」。だが、中村はその後、別の道を見出し、高校卒業後は大原簿記学校に進学。空手塾塾長が中村と再会したのは約5年前のことだ。

中村上総被告

「先生、就職は東京の国税に決まりました」

 その表情は希望に満ちているように見えた。時を同じくして、塚本も17年4月、東京国税局に入局する。

同級生に「東京でタワマンに住んでいる」と吹聴

「社会人になってから中村のインスタのストーリーがガラッと変わったんです。南米やエジプトなどを仲間と羽振り良く旅行する写真や、デイトレードの画面をアップすることが増えた」(高校時代の同級生)

 同級生に「バイナリーオプション取引で稼いでいる。東京でタワマンに住んでいる」と吹聴していた中村は「若くして成功者になった」と地元で噂されるようになった。東京国税局を退職したのは、20年3月。この時期、中村は同世代のある人物に私淑していた。元大和証券社員の中峯竜晟(りゅうせい)(27)。19年1月、中村は中峯が主宰していた「トレードオンラインサロン教室」に参加し、急激に関係を深めていったのだ。