一昨年の2020年、「ショートカット」という芸能事務所が設立された。社長を務めるのは、同年8月末にオスカープロモーションを契約満了で退社した俳優の剛力彩芽である。個人事務所ではあるが、昨年5月にはオスカーの後輩にあたる吉本実憂が移籍し、剛力自身に続く所属タレントとなった。
バッサリ髪を切ったわけ
社名の「ショートカット」はもちろん、剛力のトレードマークである髪型に由来する。もっとも、彼女はデビュー当初からショートカットだったわけではない。もともとは腰まで髪を伸ばしていたのだが、18歳のとき、フジテレビ系の月9ドラマ『大切なことはすべて君が教えてくれた』(2011年)に出演するにあたり、役づくりのためバッサリ切ったのだ。彼女はいまでも、髪を切ったのは12月3日だったと日付まで覚えている(「Smart FLASH」2021年6月6日配信)。それはこのドラマが剛力にとってひとつの転機だったからだろう。
その剛力はきょう8月27日、30歳の誕生日を迎えた。芸能界入りは10歳と意外に早い。もともと5歳のときからダンスを習っており、幼くして表現する楽しさを知った。また、7歳のとき、遊園地でカメラマンに写真を撮ってもらった経験も大きかったという。その撮影時、砂時計を持たされ、笑わずにカメラを見るよう指示されたのが不思議で面白いと感じたのをきっかけに、モデルになると決め、オーディションを片っ端から受け始めた。
そんな折、オスカープロモーション主催の国民的美少女コンテストの応募資格が10歳にまで引き下げられたと知り、応募する。結果は2次選考で落選。本人としては、周りはスタイルのいい子ばかりだったうえ、2次選考を体調不良のため別の日に変更してもらっていただけに、受けられただけで満足だったという。それが後日、改めて声をかけられ、思いがけず事務所に入ることができた。こうして小学4年にしてモデル活動を始め、中学2年のときには、マネージャーの勧めで演技のレッスンも受けるようになる。
「ツラいって思ったことはないです」
中学3年の終わりからは、女子中高生向けのファッション誌『セブンティーン』の専属モデルとなり、CMやドラマにもちょこちょこ出始める。ただ、それほど目立つ存在ではなく、オーディションを受けては落選を繰り返していた。「中学生役としては大人っぽすぎるし、高校生役としては若すぎる」と努力ではどうにもならない理由で落とされるなど、悔しい思いもしたらしい。それでも本人は《逆境だとは思ってなかったですね。ツラいって思ったことはないです、勉強以外は(笑)》とのちに振り返っている(『FRIDAY』2020年11月27日号)。