「子供のままじゃ、いられないですね」
20代半ばとなっていた2017年には主演ドラマ『女囚セブン』で、殺人の冤罪で収監された元芸妓を演じ、同年に松本清張原作のドラマ『黒革の手帖』で主演した武井咲ともども悪女という新境地に挑んだ。武井は『黒革の手帖』の放送中にEXILEのTAKAHIROとの結婚・妊娠を発表、剛力も翌2018年に実業家の前澤友作との交際が発覚し、期せずしてプライベートでもあいついで注目を集める。
だが、剛力と前澤は数年にわたる交際の末、破局に終わる。先述のような彼女の男性観からすると、交際を続けるなかで、相手を立てるあまり自分を抑えてしまうことも結構あったのではないか……と邪推してしまう。仕事の本数も目に見えて激減した。メディアでは彼といつ結婚するのかなどと交際の行方ばかりがことさらに取り沙汰され、仕事に集中するどころではなかったかもしれない。
本人は当時について多くは語っていないが、昨年、写真週刊誌のグラビアに登場したときには、《私生活については、自分で選択したことでもあるので……身に沁みて勉強になりました。これからは、自分に責任がある。子供のままじゃ、いられないですね》と省みている(「Smart FLASH」2021年6月6日配信)。
それでも、2018~19年には、舞台『No.9 ―不滅の旋律―』で稲垣吾郎演じる作曲家ベートーベンの相手役を務めるなど、エポックとなるような作品との出会いはあった(同作には2020~21年にも出演)。他方で、22~23歳のころ、いまやSNSを通じて個人で発信したり、仕事の交渉もできるのだから「これから芸能界は変わる」と思い、そのなかで「自分がもっともっと成長していくためにはどうすればいいんだろう」と考えるようになった。これがのちの独立へとつながっていく。決定的だったのはコロナ禍で、「こんな状況だからこそチャレンジしなきゃ」と決断できたという(『FRIDAY』2020年11月27日号)。