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「1名につき108万円」

 加えて同学院は、ブ社に対し、成果に応じた報酬も用意した。前出の稟議書には〈受講者に自律的キャリア形成への変化が認められた場合、1名につき108万円(税込)〉を支払う、と明記されているのだ。

 実際、7名分の報酬は支払われた。ブ社からの請求書並びに追手門学院の振込明細書からは、16年末、学院からブ社に対し、「自律的キャリア形成支援プログラム費用」7名分などとして700万円余りが支払われていることが確認できる。

ブ社の請求書(右)と、追手門学院の振込明細書

 この“成功報酬”について訊くべく追手門学院の川原理事長の自宅を訪ねると、インターフォン越しに一人あたり108万円の報酬について、

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「そういうことではありません。そういう形でお支払いはしていません」

――稟議書に明記されているが。

「それはおそらく違うと思います」

 改めて同学院に問うたところ、理事が送ったメールの意図などについての見解はなく、16年8月の研修については「厳粛に受け止め、二度とこのような事態が起こらぬよう努め」る、と回答。またブ社は「個々のクライアントの情報は、当社との取引の有無を含め、守秘義務上一切開示しない」と回答した。

 労働問題に詳しい小林嵩弁護士が解説する。

「学院が受講者を退職させる目的で、コンサルティング会社に研修を外部委託しつつ、その研修に際し受講者に対し強い心理的圧力をかけるよう要請したとなれば問題です。受講を命じられて参加し、侮辱的・人格否定的言動を浴びせられた職員に対し、学院は、第三者を介したパワハラという手段を用い、違法な退職勧奨を行ったとして不法行為責任を負う可能性がある」

 職員が苦しむ教育現場で、生徒によりよい教育ができるはずもない。