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嵐・二宮和也が後輩3人を束ねるフシギさ…24時間テレビについて語っていたこと「いい子になりすぎていた」

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2022/08/31
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24時間テレビでの反省点「いい子になりすぎていた」

 24時間テレビで、二宮和也は後輩3人を束ねて配信番組を放送しているYouTubeユニット『ジャにのちゃんねる』でメインパーソナリティをつとめた。Hey! Say! JUMPの山田涼介、KAT-TUNの中丸雄一、Sexy Zoneの菊池風磨という、各人気グループの後輩を束ねて24時間テレビの司会をつとめる二宮和也は、ジャニーズ史上最大の規模で成功した「嵐」というグループの社会的レガシーを後輩に受け渡そうとしているようにも見える。

「僕が参加した年の反省点として、いい子になりすぎていた……というのがあって。見る人との距離がちょっとあった。それが自分の反省点です」各テレビ雑誌などに掲載されたユニット4人の会談で二宮和也はそう話している。それは単なる思いつきではなく、隣でそれを聞く後輩たちへの影響を計算した言葉なのだろう。

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「お前らいい子になるな、自分らしさを出せよ」と言っても、後輩たちには人気絶頂で活動を停止した「嵐」という大きなグループの影が重くのしかかる。だが、嵐として5度も24時間テレビのメイン司会をつとめた二宮和也から「自分はあの時いい子になりすぎた、それが反省点だ」と言われてしまえば、後輩たちは退路を断たれ、もう前に出るしかなくなる。

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 そうして後輩たちに道を作るジャニーズの中の二宮和也を見るのは、俳優としての彼を見慣れている側からすると不思議な気もする。俳優としての二宮和也は、強烈な個人技で自分の道を切り開くタイプのプレイヤーに見えるからだ。

 倉本聰のような誰もが恐れる大物脚本家の書いたセリフを平然とその場のフィーリングでアレンジし、しかも倉本聰本人に「俺の書いた脚本を超えていれば、そのままでいい」と言わせる実力。しかも二宮和也が個人として突出した能力を見せるのは俳優業だけではない。

 2017年末、NHKのアナウンサーですらプレッシャーとハプニングでミスを連発し、初経験の司会タレントは出されるカンペを読むことで精一杯になることで知られる紅白歌合戦の場で、二宮和也はまるで毎年紅白の司会をつとめてきたかのように悠々と安定した司会を見せた。

 カンペをほとんど見ずに会場を見渡しながら進行するその落ち着きは、まるで彼だけが別の時間の中で生き、まわりがすべてスローモーションのように見えているのではないかと思うほどだった。