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嵐・二宮和也が後輩3人を束ねるフシギさ…24時間テレビについて語っていたこと「いい子になりすぎていた」

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2022/08/31

 映画ライターとして話をしていると、しばしば日本映画の是非の話題になる。今の邦画業界の状況は最高だよ、と思っている人はあまりいないので、ではいったいどこが良くないのか、という話に当然なっていく。その中の論点のひとつに、「邦画は大手事務所のアイドルばかり主演に立てるからダメなんだ」「きちんとした演劇育成システムがない、外国の俳優はみんな大学で演劇理論を学んでる」という定番の批判がある。

 まあ実際、そういう面もある。そのことは認めつつ、でも完全にそうとも言い切れないよね、と反論する時、言わば将棋における定跡のように、切り札のカードのように出される一人の俳優の名前がある。

「でもまあ、ジャニーズ事務所から出てきた二宮和也みたいなケースもあるよね?」

CNN「演技力のある俳優」に選ばれたことも

 それに対して反論が来ることも、当然ある。いわく、二宮みたいな特殊な例で全体の話を置き換えるのは良くない。うむ。いわく、二宮は『青の炎』の頃からズバ抜けていたんで、ジャニーズ事務所に継続的な俳優育成システムがあるわけじゃない。なるほど。

©文藝春秋

 だが、そうした「あいつは特別だろ」という反論が来ることはあっても、「俺は二宮和也なんか俳優として認めないね」と、彼の名前が払いのけられるということは、まあまずない。どんなに邦画に批判的な、ジャニーズ嫌いの論客であっても、クリント・イーストウッド、蜷川幸雄、倉本聰といったビッグネームと作品を重ね、CNNが「まだ世界的に名前が知られていないが、演技力のある日本の俳優7人」の一人に選んだ俳優の名前は、苦い顔はしつつ議論のテーブルに置かざるを得ない。日本の俳優論において、二宮和也の名前はそれほど「強い」カードである。

 公開中の映画『TANG』は、二宮和也と満島ひかりの二人がトップクレジット俳優になっている。満島ひかりもまた、アイドルグループから転じて誰もが認める演技力で日本映画を支える俳優になった一人だ。

「(二宮和也や市川実日子との初共演が)本作のようなファンタジー作品で出会うとは思っていなかったです」と満島ひかりが語り、二宮和也も「まさか、こんなにカラフルな作品で共演するとは思っていなかったので、ビックリしています」と答える通り、本来は重厚なリアリズムの人間ドラマを演じる俳優を、『TANG』はあえてファンタジー映画にキャスティングしている。

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