地面問題は解決したかと思いきや…
「結局、当たり前のことなんですが、自分のキャンプ場を管理して守っていくのは自分しかいないんですよね。これは作ってみて初めてわかったんですが、プライベートキャンプ場は作るのと同じくらい維持するのも大変です。
例えば、整地にしても火山灰で解決したかと思いきや、雨不足で地面が乾いてしまい、風で灰が巻き上げられてキャンプどころじゃなくなったり。結局、埋め砂(通常、舗装されたアスファルトの下に敷かれる)を手配して、2度目の整地を行ってようやく地面問題は落ち着きましたが、一事が万事こんな調子です」
ところで、プライベートキャンプ場を作るのに総額でいくらかかったのだろうか。
「やっぱり、それ聞きたいですよね(笑)。ざっくり言うと土地代が30万円、1回目の整地で40万円、2回目の整地で15万円(それぞれ重機代込み)で、しめて85万円ですね。凄腕不動産マンの人脈にも助けられた金額なので、普通より安いと思います」
もっとも、コスパだけで考えるならプライベートキャンプ場は必ずしもオトクではない、とタカさんはいう。
「85万円ということは、仮に普通のキャンプ場のオートサイトが1泊5,000円だとしても170泊できるわけです。1年に10泊だとしても元をとるまで17年かかる。だったら維持管理の費用や手間がかからない分、普通にキャンプ場に行った方が楽は楽ですよね」
この話で合点がいったことがある。筆者はよくYouTubeで「山を買ってみた」系の動画を目にするのだが、山を買うところまではいいとして、「ここにツリーハウスを作る!」「ここにピザ窯をつくる!」などと威勢よく語られていた当初の「理想」が実現するケースは実は少ない。気が付くと草刈りや伐採作業の動画を最後にひっそりと更新がストップしている。彼らもきっと途中で気付いたのだろう。「キャンプ場作っている間は、全然キャンプできないじゃん」と。
プライベートキャンプ場を夢見るキャンパーに向けてタカさんは最後にこう語る。
「やっぱり目的を見失わないことが大事だと思うんです。キャンプ場を作って何がしたいのか。YouTubeに上げることばかりを目的としたら、経済的にも体力的にもまったく割に合わないと思います。プライベートキャンプ場の最大の目的は、やっぱり圧倒的な自由を得ることではないでしょうか」
圧倒的な「自由」は「代償」を伴う、のである。
タカさんのブログにおける「プライベートキャンプ場作り」の過程はコチラ→
https://www.sapporo-hunter.com/category/private/