駆けつけた警察官を前に、ぶつけた車から降りた彼女が吐く息にはアルコールの匂いが混じっていた。案の定、検査機が示した数値は基準を超えている。
「お酒、飲んでますね」
「はい……」
逮捕された女性は警察署へと連れて行かれ、改めて身元を問われて名前や住所を伝えると、こう明かしたという。
「れいわ新選組」山本太郎氏の実姉が飲酒運転で現行犯逮捕
「参院議員の山本太郎の姉です」
8月29日午後8時すぎ、兵庫県西宮市の細い市道で、1台の車が目の前で止まったバイクに追突した。閑静な住宅街には大きな衝撃音が響き、近くに居た目撃者がすぐに110番を入れた。現場に来た警察署員は一通り事情を聴くと、車を運転していた女性の息から基準を超えたアルコールが検知されたのを確認。事故から1時間余りが経った頃、女性を道交法違反の酒気帯び運転容疑で現行犯逮捕した。
女性は山本利華容疑者(58)。ウソでもなく、衆院議員から鞍替えして7月の参院選挙に東京選挙区から出馬して当選した「れいわ新選組」代表、山本太郎氏(47)の実姉だった。
「山本容疑者は職業をヨガ講師と説明し、事故の経緯を淡々と説明したそうです。横断歩道の手前で一時停止したバイクを運転していたのは40歳の男性です。幸いにも重いけがを負わずに済みましたが、酒を飲んでいたとなるとぶつけた方は逮捕されても仕方ありません」(地元社会部記者)
10年前には大麻取締法違反で逮捕されていた
山本容疑者は、駆けつけた西宮警察署員の求めにも素直に応じ、酒を飲んだこともすぐに認めたという。だが警察署へ連行された頃、今度は兵庫県警の方が一手間を費やすことになった。
「山本太郎氏の姉であることと逮捕には何の関係もないですが、国会議員の親族を取り扱う事件になれば県警本部の幹部を通じてすぐに警察庁にも報告する案件になります。大きな事件ではないので粛々と報告が上がっただけですが、手間が増えて苦笑した捜査員もいたでしょう」(同前)