「私は人間です……暗闇の中で、明るさや楽しさが欲しい時もある。私的な時間に何をしているかでなく、どんな仕事をしているかを見てくれることを信じています」
8月24日の会合で、目に涙を浮かべそう語ったのは、フィンランドのサンナ・マリン首相だ。2019年12月、世界最年少の34歳で首相に就任。今年5月にはロシアのウクライナ侵攻を受けてNATOへの加盟申請を行うなど、世界の注目を集めた。そんな彼女に突如降り掛かったのが、相次ぐ私的な動画や写真の流出だ。
黒キャミ姿で激しく踊る動画が流出
まずは8月18日と19日、黒のキャミソール姿で激しく踊り、仲間と頬を寄せ合って騒ぐ、パーティーピープルさながらの動画がSNS上に流出。さらに23日、今度は首相公邸でトップレスの女性客2人が、「FINLAND」と書かれたボードで胸を隠し、キスをする写真が流出した。
それでも世論がすぐに「退陣」とはならないのはなぜか?
ヘルシンキ在住18年の日本人ジャーナリスト・靴家さちこ氏は、国内の反応についてこう語る。