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 では、大人気となったロシア版スタバ「スターズ・コーヒー」で一体どんなメニューが提供されているのだろうか? ドミトリー氏が店内の様子や商品の印象を教えてくれた。

「カウンターの位置などはそのままで店内のデザインは以前と同じです。メニューもさほど変わりませんが、エスプレッソやカプチーノといった定番に加え、『抹茶ストロベリー』や『スパイシーシトラスアメリカ―ノ』といった新商品が登場していました。値段は平均的な475ml入りで、310ルーブル(約703円)から385ルーブル(約873円)で販売されています。一般的な相場より少し高い印象ですね。ガラスのウィンドウ内には、クロワッサンサンドやベリーのタルトが並んでいる。コーヒーは上質だったのですが、新メニュー『野イチゴの粥』が激甘で驚きました。来店した若い子たちは皆満足していると言っており、店内で写真を撮って楽しんでいましたよ。

 今は一つのレジに10人~15人の列ができています。ですがロシア人はいつも新しい店ができるとこぞって訪れるものの1週間もすれば落ち着くので、いずれ行列に並ばなくても食べられるようになると思います」

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器具も本家撤退前のまま。カウンター内では10名ほどの従業員が働いていた
「エスプレッソ&コーヒー」「フラッペ」「シェフのおすすめ料理」の3カテゴリーでメニューが表示される

店内インテリアもロゴも“ほぼそのまま”

 開店早々、モスクワっ子から上々の評価を得ている「スターズ・コーヒー」。だが気になるのは、店名とロゴが“本家”と酷似していることだ。

「ロゴに描かれた女性はスターバックスの『人魚・セイレーン』に似ていますが、頭にロシアの伝統的な髪飾り『ココシニク』を付けているんです。当初は店名を『スターボックス』か『スターズ』で検討していたようですが……」(前出・通信社記者)

手書きで客の名前を書いてくれるサービスがロシアではとりわけ人気だという
カップも本家とあまりに似ている

 だが、こうした露骨な“パクリ”は大きな問題を孕んでいると専門家はみている。実際、ロシア国内ではスターバックスが同チェーンを訴えるのではないかとの噂も飛び交う。知的財産権に詳しい齋藤理央弁護士が解説する。