文春オンライン

2022/09/15

 たしかに高齢になってくると、「たまに食べるくらいでいい」とか、「血圧が上がりそうだ」と肉を控えたくなってきます。野菜の繊細な美味しさがわかってきたりもします。 

 ですからこれも「毎日食べよう」とか「何グラムは食べよう」といった押しつけるような勧め方はしません。質素なくらいの食事で体調がいいというのでしたら、ムリに肉を食べる必要もないでしょう。

 ただ、高齢だからもう肉は食べなくていいとか、粗食で十分といった考え方は老化を早めるだけになってしまいます。意欲や朗らかな感情を失わないためにも、食べることに無関心になってはいけません。お腹が空いてきたときに、食べたい料理があれこれ浮かんでくるような食欲の若々しさこそ、老いても失わないようにしてください。

たまの外食が夫婦それぞれの元気をつくる

 とは言ってもこんな声も聞こえてきそうです。

「ほとんどの料理を作るのは妻だし、家計も任せている。せっかく作ってくれたのに食べないわけにはいかないし残った料理も無駄にはできない」

 奥さまがご主人の健康を考えて野菜中心の料理を作れば、食べないわけにはいきません。晩ご飯も翌日の昼ご飯も野菜料理になってしまうことだってあるでしょう。男性にとっては肉料理のハードルが案外、高かったりするものです。

 そこでお勧めしたいのが外食です。

「年金暮らしだから無駄遣いはできない」とか「わざわざ外に出なくても、家でゆっくり食べたい」という気持ちもあるでしょう。外食となれば着替えたり街まで出かけなければいけません。それが面倒といえば面倒です。

 会社勤めのころでしたら「休日くらい家でゆっくりしたい」という気持ちになりますが、高齢になればどうせ時間はいくらでもあります。「美味しいものを食べるついでに街歩き」というのは、気楽な自由時間の過ごし方になってきます。

 夕食ではなくランチの外食ならそれほど高い食事代ではありません。週に1度か2度の食べ歩きと割り切れば、会社勤めのころに通っていたラーメン店とかトンカツ屋さん、カレー専門店やレストランやステーキの店など、いろいろ思い浮かべることができます。