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「野菜中心の料理が身体にいいと思い込んでいるが…」和田秀樹氏が指摘する高齢者の食生活の“大きな誤解”

『老人入門 - いまさら聞けない必須知識20講 -』より #2

2022/09/15

 人は誰もが老いるのだが、「老い」とか「老化」についてはよくわからない、よく知らないという人も多いのではないだろうか? 老いに対する正しい知識がないと過度に不安になったりして、不幸な老い方をしてしまう可能性もある。

 ここでは、老年医学の専門家・和田秀樹氏が「これだけは知っておかないともったいない」という必須知識をまとめた『老人入門 - いまさら聞けない必須知識20講 -』(ワニブックス)から一部を抜粋。和田氏が高齢者に対して「食べることに無関心になってはいけない」と話す理由とは——。(全2回の2回目/1回目から続く

写真はイメージです ©iStock.com

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老いたら粗食ではいけない

 老いることに関してはいろいろな誤解もありますが、私はその中でいちばん大きな誤解は「食べること」ではないかと思っています。

 食欲もかつてほど旺盛ではありません。

 日中、それほど激しく動き回っているわけでもありませんから、何となく「あっさりした料理でいいかな」と思ってしまいます。

「成長期の若者じゃないんだから、晩ご飯も軽めでいいだろう」とついつい粗食に甘んじてしまいます。

 それ以外にもいろいろな理由があります。コレステロールや血圧、血糖値が高めだから肉や脂っこいものは控えなくちゃとか、胃にもたれやすい料理は避けたほうがいいだろうとか、便通を良くするためにも食物繊維は欠かせないとか、とにかく高齢になったら野菜中心のあっさりした料理が身体のためにはいいと思い込んでいる人がほとんどになってくるようです。

 まして夫婦二人きりの生活になってしまうと、子どもや若い人の好みに合わせる必要がありません。外食の機会もめっきり少なくなりますから、とくに肉類の摂取が減ってしまいがちです。

 でもそういった食事に対する考え方には大きな誤解があるようです。