佐喜真氏は、きっぱりと…
佐喜真氏はSNSでも『ちむどんどん』について多く触れていた。たとえばツイッターではNHK沖縄で政見放送を収録した日に「サキマ淳もちむどんどん!」、うるま市のまつりに参加した際には「青年会のエイサーにちむどんどん!」と発信。おそらく3人の候補者の中では最もドラマについて語れる人なのではないか。
そんな佐喜真氏に「『ちむどんどん』のどこが好きですか?」と直撃してみた。すると、
「見てないです!(きっぱり)」
えーーーー! 見てない?
あまりにも堂々と即答したのでちょっと笑ってしまった。ただ、選挙戦で忙しすぎて「最近は見ていない」という意味の可能性もある。いや、絶対にそうだ。あんなにちむどんどん、ちむどんどんとSNSで言っていたのだから。そのへんを確認しようとしたが、次の演説場所へ嵐のように移動していってしまった。
「普天間返還を30年までに」ときっぱり言明
それにしても私が気になったのは佐喜真氏の「きっぱり」ぶりである。実は前回の知事選も出馬していたのだが、基地問題に触れないことに批判があった。しかし今回は「辺野古移設を容認」を打ち出した。それだけではない。「普天間飛行場の返還を30年までに実現する」と言明したのだ。
しかしである。佐喜真氏のこの「公約」に対し、
《記者会見に同席した国会議員からは「初めて聞いた。工期短縮は現実的でない」「あそこまで言って大丈夫か。計画をどう変えるかは防衛の問題で、県ではどうにもできない」と実現性を疑問視する声が漏れた。》(毎日新聞WEB 8月21日)
佐喜真氏はきっぱり言いすぎて波紋を呼んでいたのだ。
《1996年に日米が合意した普天間飛行場の全面返還は移設の完了後という条件付きで、現在の計画では完了まで少なくとも12年かかり、返還は34年以降となる。》(毎日新聞・同)
「普天間返還を30年まで」と言って本当に大丈夫か? そもそも本当に考えているのか? というザワザワは今回の論点の一つだった。そんななか私は『ちむどんどん』に対して今までのイメージと全く違うことを即答したことに「あそこまで言って大丈夫か」と同じ懸念を抱いたのである。やはり神は細部に宿る。