現役引退から3年。バラエティ番組で活躍し続ける長州力には、今も慣れないことがあるという。不世出のレスラーが明かす“仕事観”、そして今を生きる若者たちへのエール。(全2回の2回目/1回目を読む)
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「逆に自分のことで迷惑をかけているのかなあ」
――現役引退後はタレント活動をして、プロレスを見ていた世代はもちろん、若い世代からも人気を博しています。
長州力さん(以下・長州) 別にそんなことないですよ。きっと若い人は、とぼけたじいさんだなって思っているだけじゃないですか。みんな笑って喜んでくれれば別に、うん。まあ誰にどう思われようが関係ないけど(笑)。それに自分ではタレントとは思っていないんだよなあ。まあ、そう呼ばれてもしょうがないんだけど。
――『相席食堂』や『人志松本の酒のツマミになる話』といった番組では、長州さんの魅力が炸裂していました。
長州 ただ正直言えば、僕自身、(テレビに出る)面白さっていうのはないんですよ。やったことのない場所に行って、いろんなことをやらされるから。逆に自分のことで迷惑をかけているのかなあ、どこか気遣いの怖さというのを感じるんですよね。
――どういうことでしょうか?
長州 やっぱり慣れない。なにをどうしても慣れない。周りの人たちと噛み合っていくのが、すごく。だからそこは無視して、自分の違った面を出さなきゃいけないとか。そういうことがつらいね。つらいというかしんどい。タレントさんとか芸人さんとか俳優さんはそういう仕事だからアレだけど、やっぱり僕はタレントじゃないからね。
――あくまでもアウェーな感じ。
長州 声を掛けてもらえるから行くけど、やっぱり違和感があるんだよ。特にテレビ局に入ってから控室で待っている時間が一番苦しい。僕に打ち合わせなんてやってもしょうがないんだから。
――それに他の演者の方が挨拶に来たり、きっと落ち着かないでしょうね。