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「テレビは慣れない。どうしても慣れない。しんどい…」苦悩する長州力(70)を救ったとっておきの“秘策”

長州力さんインタビュー#2

2022/09/18

genre : エンタメ, 芸能

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収録前に挨拶をされるのが嫌。よしっ!それなら…

長州 そう、あれものんびりできなくて非常に疲れる。誰かが来ると服を羽織って挨拶して……あれはつらいよな。今でもつらい。まあ挨拶をするのは、ああいう社会のしきたりなんだろうけど、だから僕は行かない。

――行かない(笑)。

長州 できることなら誰も来てほしくない。控室の前に「長州力様」って貼ってある紙があるじゃないですか。だから1回だけ「州」と「力」のあいだに「小」って自分で書き入れたんですよ。

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――長州小力!

長州 そしたら誰も挨拶に来なかった(笑)。

――あははは。今度から楽屋でしんどい思いしてテレビに出ているんだなって見てみます。

長州 いや本当にしんどいんだから。

©佐藤亘/文藝春秋

とにかく何事も自分次第。全部自分の意思で進めていかないと

――そんな長州さんがプロレス時代も含め、仕事をする上で大事にしてきたことって何でしょうか?

長州 自分でやると決めたことが仕事ならば、やっぱり“集中力”ですよね。やり遂げるまでの集中力。プロレス業界はシリーズで動くから、それが終われば長く休める。短期間で何十試合もするけど、とにかく集中力だけは切らさないようにしましたよ。うん。とにかく何事も自分次第なんだよ。考え方も行動も全部、自分の意思で進めていかないと。

――しかし人間は弱い面もあるので人の意見に惑わされたり、乗っかっちゃったりすることもあると思うんですよねえ。

長州 その言葉を自分でどう受け取るかってことだけですよ。素直に聞くのか、違うと思うのか。まあ人はそれぞれだからわからない。それに決められた仕事に集中していくなかで、なにか責任みたいなものをあてがわれるときもある。

 みんな違う人間だし、何を考えているかわからない人間たちをまとめなくちゃいけない。そういう仕事をして、周りからああだこうだ言われたり、後ろ指を指されることもあったけど、とにかく自分の意思で真剣に取り組んできただけ。それしかないんですよ。

まあ昭和の体育系ですよ。先頭を走っているヤツは好かれてはいけない

――自分を信じて真摯に積み重ねるしかない。人にどう思われようが。

長州 まあ昭和の体育系ですよ。先頭を走っているヤツは好かれてはいけないんだって。先頭を走るヤツがおべっかつかっていたら、オマエまとまんねえよって(笑)。

――それが長州さんの生きざまでもあった。

長州 いや、そんなたいそうなもんじゃありませんよ。ただ集中してきただけですから。

©佐藤亘/文藝春秋

――人生の後半戦、長州さんは熱海暮らしをし、ご家族と海に囲まれて幸せそうですけど、他になにか心弾むような楽しみはありますか。

長州 今はアレですよ、学生時代の先輩後輩と会うのも楽しい時間ですね。

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