交際0ヵ月から42歳でスピード婚し、翌年、出産。俳優の水野美紀さん(48)が、突然はじまった怒涛の子育てを綴ったエッセイの第2弾『水野美紀の子育て奮闘記 今日もまた余力ゼロで生きてます。』(朝日新聞出版)を刊行した。ここでは同書より、「出版イベント」を抜粋して紹介する。(全2回の1回目/2回目に続く)

水野美紀さん ©佐藤亘/文藝春秋

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出版イベントで1時間半トークするプレッシャー

 先日、出版イベントなるものが催され、この度書籍化されたエッセイ『余力ゼロで生きてます。』をお買い上げ頂いた200名程のお客様の前で、編集担当のKさんとトークをしてきた。

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 当日はあいにくの雨で、足元も悪く冷え込む中、小さなお子さん連れの方々もたくさんいらして下さった。

 トーク時間が1時間半も設けられていたので、正直かなりプレッシャー。

 かたや、稽古中であった芝居では、1時間半お客様を楽しませるために、ストーリーを練り稽古を重ね音楽や照明を駆使して披露するというのに、こちらは蛍光灯の下、無音でただのトークの1時間半。

 無謀としか言いようがない。

 担当のKさんなんて、数日前から瞳孔が開き気味なのである。

 当日は11月22日。「良い夫婦の日」ということで、夫の写真を大きなパネルにして横に置きたいのですが、と打診を頂いた。

 その日、夫は舞台の本番中で登壇は叶わなかったからである。

 なので、私は等身大の夫の全身写真が用意されるのを想像していたのだが、全然違った。

 A4サイズの、四角い顔写真だった。

 どう工夫して持ったとしても、遺影感滲むそのパネル。

 トーク中には壇上に飾られた花の前に置かれたものだから、余計に滲んじゃってんじゃないか!