交際0ヵ月から42歳でスピード婚し、翌年、出産。俳優の水野美紀さん(48)が、突然はじまった怒涛の子育てを綴ったエッセイの続編『水野美紀の子育て奮闘記 今日もまた余力ゼロで生きてます。』(朝日新聞出版)を刊行した。
母となってからも「怪演」と呼ばれる刺激的な演技で注目を集める水野さんだが、かつては「空っぽになった」こともあったという。13歳から芸能界で活躍し、今またバラエティやドラマなどで引っ張りだこなのはなぜか。その驚きの理由を聞いた。(全2回の2回目/1回目から続く)
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妊娠がわかってから慌てて「子あり」の生活を考え出した
――水野さんは42歳のときに3歳年下の俳優・唐橋充さんと結婚し、翌年出産。キャリアも順調でライフスタイルも固まっているタイミングでガラリと生活を変えることに不安はなかったですか。
水野美紀さん(以下、水野) たしかに13歳から仕事優先で生きてきたので、ずっと家庭を持つイメージが持てなかったんですよね。子持ちの知り合いから「美紀ちゃんにも幸せになってほしい」と言われても、「……今も幸せですけど?」みたいな反発を覚える気持ちもありました(笑)。
正直、年齢的に子どもはむずかしいだろうと半ば諦めの思いで過ごしていたこともあり、妊娠がわかってから慌てて子ありの生活を考え出したような感じです。
――お酒をよく召し上がっていたそうですが、それもむずかしくなりますよね。
水野 独身時代は本当によく飲んでいました(笑)。それまでの人生は夕方からが本番、みたいな感じでしたけど、子どものおかげでお日さまと一緒に生活する真人間に引き戻してもらいました。今は夜の10時に電話が鳴ると「こんな夜中に何事!?」って思います。
――しかし、13歳から仕事をしているってすごいですね。もともと俳優志望だったのでしょうか。
水野 役者をやるために16歳で福岡から上京して、一人暮らしをしていました。「連ドラの主役」が目標になっていましたし、事務所の人からも期待されている気がしていましたが、27歳のときにそれが叶ったら、途端にどうしていいかわからなくなってしまったんですよね。
――年齢的にも転職を考えたり、結婚・子作りがちらつく時期ですよね。