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――唐橋さんのイラストはシンプルな線に見えて描き込みが凄まじく丁寧というか、本当に緻密で。本作はまさに共同作業だったかと思いますが、そもそもお二人は俳優として同業者です。「同業者夫婦」のやりにくさってありますか。

水野 私は彼の舞台を見るたびに、すごい役者だなと思っていますね。あと彼も、私の作る舞台に対してアイデアをくれたりして一緒に面白がってくれるので、あんまりバチバチすることもなく。 

 強いていうならお金の管理でしょうか。夫は衝動的な買い物が多いんですよ。

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夫の衝動買いにイラっと…

――たとえばどんなものを?

水野 3年前は、スノーピークの「エントリー2ルーム エルフィールド」というテントでした。8~9万円もするというので躊躇したんですけど、「仕事がんばるから!」「もっと稼ぐから!」って言うのでつい……。

 あとは、幼稚園受験の面接に着ていくためのスーツを買ってきたことがあったんですけど、「紳士服量販店で買ってね」と言ったのに7万円もかかって……。店員さん3人に囲まれて逃げられなかったらしいんですけど、イラッとしました。

――スーツってお勤めの人じゃないと着る機会ないですしね。

水野 そうなんですよ。私も渋々ネットでお受験用の紺のスーツを買ったんですけど、ああいうグッズって足元見てますよね。

――購入場所は伊勢丹とか代官山のセレクトショップとかじゃないんですね。

水野 だって信じられないくらい高いですから! 普段着ないし自分の着たいタイプの服でもないので、とにかく手頃なもので済ませました。

 

――著名な俳優さんはブランドものできめられるかと思っていました。というか、水野さんは本当に稀有な存在といいますか、映画ではフルヌードになり、『奪い愛、冬』(テレビ朝日系)では鬼女を嬉々として演じられ、『突然ですが占ってもいいですか?』(フジテレビ系)をはじめとしたバラエティにも出ながら、ご自身の演劇ユニットを主宰されています。

水野 そうですね。草の根をかき分けて、後ろに道を作りながら進んでいるなと思っています。