国民全体の保険制度もないから、個別に保険に入るしかなくて、それがひと月に最低5万円ぐらいかかる。しかも、診療費の全額がカバーされるわけではない。でも、入っておかないと、診療費がとんでもないことになってしまうんです。
ぼくの知り合いは、調子が悪いから、と検査と治療のため5日間ほど入院したところ、800万円も請求されていました。
ぼくも、固いものを食べていたら歯が少し欠けてしまったので、歯医者でちょこっと詰め物をしてもらったことがあります。治療自体は日本とさほど変わらない金額だったんですが、その際に、撮影したレントゲン代を加えると、トータルで4万円もして驚いたことがあります。
また、ある仕事でミネソタに行ったときに、2月で気温がマイナス24度だったんです。次の日、やはり仕事のため、今度は生まれてはじめてのハワイへと飛行機で移動しました。するとこの寒暖差もあってか、仕事が終わってから、どんどん体調が悪くなったんです。
すぐにハワイの病院で診てもらったら、インフルエンザでした。
でも、インフルエンザだと、こちらの病院では何もしてくれないんですね。ただ安静にしていなさい、と言われるだけ。高熱でつらいと訴えても、水を飲みなさいとしか言われないんです。
けっきょく自分で薬局まで歩いてカゼ薬を買いましたが、治るまで時間もかかるし、なかなかニューヨークへも帰れない、なんてことがありました。
住むエリアによって教育水準が激変
さらにすごいのが教育です。
住むエリアによって教育水準が変わるんです。
以前から、アメリカではどうして治安の悪いエリアが決まっているんだろうと不思議に思っていたんですが、わかりました。
完全に教育水準の違いだったんです。
エリアごとに教育のレベルが1から10まであって、このエリアは「2」、このエリアは「8」とはっきり決まっているんです。
たとえば、「8」の地域の学校では算数、国語、理科、社会の授業がありますけど、「2」の地域の学校ではそのうち2教科しか教えませんよ、と。
つまり、住むエリアによって学力が変わってしまうんです。そして当然、教育レベルの高いエリアは、家賃も高いわけです。私立だったらエリアは関係ないですけど、そのぶん学費が高くなります。