しかし9月9日、学校側は高野連の処分を待たずに解任を断行。当日夜には解任の経緯を説明する緊急保護者会が開かれた。文春オンライン取材班が入手した保護者会の約50分の音声には、隠蔽を認める理事長の発言と涙する保護者らの悲痛な声が飛び交う異常事態が記録されていた。
同校の理事長、校長、教頭、顧問らが出席した緊急保護者会は19時から始まった。西詰監督は欠席し、冒頭で理事長ら学校経営陣は立ったまま頭を下げた。そして、瀧川理事長は西詰監督が解任に至った経緯を保護者らに自らこう説明した。
「本日西詰氏にお尋ねしましたところ、『反省しております』という言葉をいただきましたけども、より具体的なことについては語ってはもらえませんでした。(暴言やパワハラについて)もう一度改めて確認したところ、『記憶にない』という回答が出てまいりました。実際、うちの事務員に対しても恫喝、叱責していたことを私は実際に見ておりますし、西詰さんに注意したことはあります。本人が自覚してない部分が多数見受けられ、自分がしたことについての反省は大きくはされていないのではという疑念を私は抱きました。そこで確認したところ、『死ね』『クソ』といった言葉は使ったかもしれない、と」
「西詰監督はむすっとしたっ表情で謝罪していました」
理事長は「西詰さんに強く指導してこなかったのは、私、経営陣の落ち度です」と責任を認めて謝罪したが、保護者らの不信感は収まらなかった。野球部関係者が打ち明ける。
「実は緊急保護者会は今回が2回目で、夏の大会前の6月12日に第1回の保護者会がありました。その時に校長先生から西詰監督の暴言とパワハラの報告があり、西詰監督はユニフォーム姿で現れてむすっとした表情で謝罪していました。しかし頭を深く下げるわけでもなく、脚を大きく開いて座っていて心から反省しているようにはとても見えませんでした。夏の大会が終わったら改めて保護者会を開いて説明すると約束していたのに、1カ月以上音沙汰もありませんでした」
瀧川理事長は高野連への報告などの対処が遅れた理由について、「夏の大会寸前だったため」と保護者会で発言している。詳細な発言は以下の通りだ。