1ページ目から読む
3/4ページ目

竹内 入社当初から、ずっと自分と周りを比べていました。初めは同期の状況が気になって、次第に先輩の活躍も気になるようになった。そしてしばらくすると、今度は新しく入ってくる後輩のことも意識してしまって。

 それに、女性アナウンサー同士を勝手に比べたりする記事もあるじゃないですか。「テレビ朝日で今一番人気の女子アナは?」とか、「テレビでもっとも活躍してる女子アナは○○!」とか。そういうのを読んで後輩のことが書かれていると、「私より後輩のほうが活躍している」と落ち込むこともありました。

 それが事実かどうかはさておき、そうやって書かれているのを見ると、競争している感覚がさらに強くなってしまって。いつもハラハラしながら過ごしていましたね。

ADVERTISEMENT

 

「司会の横で笑ってるだけの“女子アナ”」と見られていた

――常に世間の目に晒されてしまう。アナウンサーは特殊なお仕事ですよね。

竹内 アナウンサーは人に見られる仕事なので、上手くいっているかどうかが世間の方々にもわかりやすい。そして、「この人はいろんな番組を担当している」とか「この人は最近出ていない」という“評価”も下されてしまう。

 新人時代、2ちゃんねるに「アナウンス力がない」と書かれているのを見てショックを受けたこともあります。

――特に女性アナウンサーは、ネットやSNSでネガティブな評価をされることが多いように感じます。

竹内 アナウンサーは、見えないところで調べ物などを徹底して、すごく努力をしている。でも女性アナウンサーに対しては、「司会の横で笑ってるだけの“女子アナ”」という見方をする人もいるんですよね。実際、私もそう見られていたと思います。

 

 ただ私は、テレビで楽しんだりふざけたりすることも、エンターテイメントとして求められている“仕事”だと考えていました。自分自身がテレビを楽しむことが、視聴者を楽しませることにつながると思っていたんです。

 けれど、その“楽しんでいる姿”が「努力していない」「不真面目」と捉えられることもあって……。女性アナウンサーという仕事の難しい部分ではありました。

――アナウンサーは番組内での立ち位置が難しいですよね。番組を盛り上げる必要がある一方で、一歩引いた場所にいる必要もある。