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竹内 最初の頃、出演者のお名前がパッと出てこないことが何回かありました。特に、番組の最後にアーティストの方々を全員紹介するときが、一番の鬼門でしたね。15秒しか時間がないから焦ってしまうんです。

 それに当時は、自分の中で変なこだわりがあって。「アーティスト名と曲名紹介のときは、カンペを見ずにカメラをまっすぐ見つめながら言おう!」と決めていたんです。そうしないと視聴者に対して不誠実だと思っていたので。でもそのせいで、名前が出てこないときにすぐ対処できなかった(笑)。

 

 視聴者の中には、「調べてこなかったんだな」と感じた方もいたと思いますけど……いつも本番の1週間前から、出演されるアーティストの方々のインタビュー記事を隅々まで読んで、事前にみっちり調べていました。それなのに本番で緊張すると、咄嗟に名前が出なくなってしまう。

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タモリさんに「もっと肩の力を抜いていいんだよ」と……

――ものすごいプレッシャーだったんですね。

竹内 おそらく私は要領が悪いんです。特に新人のときは、大事な場面でいつもヘマをしていました。

――メインMCのタモリさんから、アドバイスなどはあったのでしょうか。

竹内 担当して1年が経った頃、タモリさんに「由恵ちゃん、もっと肩の力を抜いていいんだよ」と言っていただきました。それくらい、当時の私は緊張していたんです。

 緊張しないためのアドバイスは、福山雅治さんからもいただきましたね。「背伸びするから緊張するんだよ。そのままの自分でいればいいんだよ」と。今はそのアドバイスの意味が身に染みてわかるのですが、当時は“等身大の自分”でいる余裕がありませんでした。

 

――どうして余裕がなかったのですか。

竹内 新人のときは『ミュージックステーション』のサブMCと『やべっちFC』のフィールドリポーターを任せてもらっていて、どちらも身に余る光栄だったのですが、それ以外の仕事がいつまでも増えなくて、「どうして私だけ担当番組が増えないんだろう」といつも焦っていました。

――周りと比べて焦ってしまった、と。