俳優の二階堂ふみがきょう9月21日、28歳の誕生日を迎えた。この夏には、倉持裕作・演出の舞台『鎌塚氏、羽を伸ばす』の公演で各地をまわっている。三宅弘城演じる執事・鎌塚氏が名推理を繰り広げるシリーズの最新作となる同舞台に、二階堂は公爵家の令嬢役で5年ぶりに出演した。久々の出演にあたり、公演パンフレットでは次のように意気込みを語っていた。

《この5年の間に、長期間に及ぶ撮影(『エール』)や海外での撮影(『Shōgun』)などを経験したことで、自分で自分を信用できるまで心身を整えて、必要なものをちゃんと準備する、ということをあらためて学び、仕事への向き合い方が変わりました。そうして積み重ねてきたものを、この舞台に捧げたい》

©文藝春秋

 発言中に出てくる作品のうち『エール』は周知のとおり、一昨年に放送されたNHKの連続テレビ小説で、彼女は声楽家でのちに窪田正孝演じる作曲家と結婚するヒロインを演じた。一方、『将軍 Shōgun』は、アメリカのテレビ局・FX制作のドラマであり、カナダでロケが行われた。放送時期は未定だが、これを機に彼女は世界に進出するのではないかともささやかれている。

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広瀬アリス、土屋太鳳、川栄李奈は同い年

 広瀬アリスや土屋太鳳、川栄李奈など同い年(1994年度生まれ)には女優も多いが、そのなかでも二階堂はいち早く注目され、常に期待されてきた存在である。映画デビュー作である『ガマの油』(2009年)が公開されたとき、彼女は14歳だった。当時まだ中学生で、地元・沖縄から仕事があるたび東京に通っていた。

『ガマの油』(2009年)

 もともと母親が映画好きで、彼女に幼いときから昔の映画をよく見せてくれていた。おかげで高峰秀子、あるいはカトリーヌ・ドヌーブやブリジット・バルドーといった女優に憧れるようになる。小学5年生になってからは裁縫を始め、ロリータ・ファッションの本を書店で見つけると一気にそちらに傾いた。古着屋で買ってきた服に自分でレースを縫いつけたりしていたという。当時、英会話教室に通っており、その階下がちょうど古着屋だった。小6のとき、その店で地元のフリーペーパー『沖縄美少女図鑑』のモデルにスカウトされる。