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一方、被告は「いじられることがあり、連続的にいじられたときは、追い込まれていると感じていた」(弁護側冒頭陳述)という。いじりの詳細が初公判では明らかになっていない段階ではあるが、被害者らの言う通り、彼らが突然攻撃を受けるようないわれはない。
硫酸をかけられて「ケロイドは元には戻らない」
Bさんは全治3ヶ月とはいうものの、実際は長期的な治療が必要な状態にある。顔や肩、腕などに硫酸をかけられたため「赤みやケロイドが残り、ケロイドは元には戻らない」(医師の調書)といい、また両目についても、角膜が混濁するなどの障害が残り、視力が安定しない。涙を作る機能が消失したため、ドライアイが続き、また角膜も今後損傷すれば深刻な状態になりうるという。
事件から時が経っても続く苦しみとともに、「周囲に不気味がられないか心配だし、外出するのが怖い。出てきた被告人がまた私に硫酸をかけてくるのではないか……」と、心に受けた傷についてもBさんは調書で語っている。
初公判で、花森被告には事件当時、自閉スペクトラム症とPTSDの症状があったことも明らかにされた。今後、精神科医の証人尋問や被告人質問が行われる見込みだ。