Wは「女好き@RNA」というアカウント名でツイートしていた。私ははじめ、このアカウントが彼本人のものと知らず、気付いたときは驚愕した。メンバーが逮捕される中、警察や弁護士、さらには被害者へのバッシングを繰り返すことが、自分や組織の状況をよくするわけがない。しかも彼は、自らの潔白を匂わせるだけで決定的な証拠を出すわけではない。出さないのに、自信満々に言う。稚拙過ぎる行動だと思った。
「弁護士無能すぎてヤバいw 勉強多少できただけでほとんどの弁護士が無能。(後略)」(9月7日 https://twitter.com/onnazukinp/status/1037890961756512257)
このツイートの3日後に、彼は逮捕されている。
“塾長”は本当に女性たちにモテていたのか
私はWや塾生の裁判の傍聴に足を運んだ。裁判を聞くうちに、なぜWがあんなに自信満々のツイートをしていたのか、なんとなくわかるような気がしてきた。
起訴された他の塾生たちが事実を認めてそれぞれが数百万円の被害弁償金を支払ったのとは違い、Wは3人の被害者たちとの間に同意があったと主張した。法廷でも自信満々に、自分がいかに女性たちからモテていたかを語った。他の塾生が声をかけてもつれない態度だったけれど、彼が声をかけた途端に態度を一変させてついてきた、などと。
彼のストーリーは、3件の事件についてほとんど同じ。
- 自分はモテて女性から積極的に性交を望まれていた。
- 女性からあまり相手にされない塾生たちをトークでフォローしていた。
- 被害者女性や、逮捕された他のメンバーは警察に迎合して噓をついている。
当然、彼は裁判官から聞かれることになる。
「彼女たちが噓をついているとするのであれば、あなたは彼女から噓をつかれる理由があるのですか」
Wは「(被害者たちは)警察から聞かれたから話を合わせた」などと答えた。彼のストーリーの中では、警察と被害者が結託して彼を陥れようとしていて、弁護士は冤罪の彼を守れない「無能」なのだ。
実際にWはモテていたのだろうか。確かにWは、容姿が著しく劣っているわけではないし、40代半ばという年齢にしては若く見えた。裁判での弁護人側の尋問によれば、ナンパされて「かっこいい」という印象を持った女性たちもいたようだ。