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『イカゲーム』エミー賞6冠でも、国内では嘆く声…喜んでばかりいられない「韓国エンタメの事情」

2022/09/24
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『パラサイト』ポン・ジュノの収益は?

 ちなみに、『パラサイト 半地下の家族』のポン・ジュノ監督は米監督組合会員になっており、そのため、米国の法律によりNetflixで配信された米韓合作映画『オクジャ』では、監督、脚本家としての収益を得ているそうだ。

 しかし、そもそも『イカゲーム』の場合は当初韓国で制作費の投資を募っていたものの、内容に難色を示され、投資してくれる企業はなかったという。ファン監督は、Netflixが全額制作費を出してくれたため制作に集中できたとも話しており、NetflixをはじめとするOTTの存在は痛し痒しといったところだろうか。

『イカゲーム』の主役のひとり、パク・ヘス。『刑務所のルールブック』(2017年)で一躍スターダムを駆け上がった。以降、 Netflix オリジナル作品に多く出演しており、最近ではグローバル視聴ランキングで1位となった『ナルコの神』にも出演している ©getty

 それにしても、韓国エンタメ界での議論を見ていると、グローバル市場に向けた勢いを感じずにはいられない。

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『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』の中で、ウ・ヨンウ弁護士が妙案を閃いた時に目をぱあっと見開くとCGの鯨が登場するシーンがあるが、制作プロデューサーは、韓国でも放映された1980年代の日本のアニメ『魔法のプリンセス ミンキーモモ』からヒントを得たと話している。『イカゲーム』にしても『ウ・ヨンウ』にしても、日本のエンタメからさまざまな刺激を受けている。こういうのを宝の持ち腐れ、というのではないだろうか。

『イカゲーム』エミー賞6冠でも、国内では嘆く声…喜んでばかりいられない「韓国エンタメの事情」

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