文春オンライン

2022/10/02

 1度目の結婚はいわゆる「結婚適齢期」、つまり子どもを作る年代にすることが多いため、夫婦は子育てという作業をする同志でもあり、ある意味、社会的な意味の強く出る結婚といえるでしょう。しかし、その子どもが独立し、自身も定年退職をしたという頃になったら、2人だけでの生活が始まるので、お互いがそれでも一緒に結婚関係を続けていけるかを考えていいときだと思います。

 お互いがお互いの介護をする覚悟はあるのか、子どもがいなくてもふたりだけで最後まで添い遂げる覚悟はあるのか、そういったことを自問自答するちょうどよいタイミングなのです。

「会話はあるのか」を基準の1つに

 結婚関係を続けるための1つの指標として、夫婦の間にどれだけ会話があるかという点が挙げられます。たとえば、相手が自分の愚痴を聞いてくれるか、そして相手も愚痴やその日あったことを話してくれるか、そういった時間をどれくらい作れているか、ということを思い返したときに、一方的ではなく対話がきちんとなされているでしょうか。

 また、定年退職したあとも、子ども抜きでふたりが出かける関係を築けているでしょうか。そのように、お互いが楽しめる関係が保たれているのであれば、当然その婚姻関係を続けるべきですし、それ自体がお互いを若々しく保ち、精神的にもよい働きがあるといえるでしょう。

 しかし、一方だけが楽しんでいる、お互い一緒にいるのに苦しいことしか感じられない……そんな関係を無理して続けなくてもよいのです。

在宅介護を美徳とする日本特有の親子関係

 60代以降の家族との付き合い方を論じる上で、避けて通れないのが「介護」と「子ども」の問題です。

 日本という国では、欧米に比べて、自分の親が認知症や要介護になると、とても面倒見がよい人が多いです。施設には入れようとせず、在宅介護で一生懸命、介護しようとします。美徳のようでもありますが、実は非常に封建的な一面といってもいいでしょう。

 その半面、日本は親が元気なうちにコンタクトをする回数においては、先進国のなかでは最も少ない国といっていい状況です。