文春オンライン

2022/10/02

 たとえば、欧米では、もっと密な親子関係が一般的です。海外ドラマなどを見ても、大人になっても「ママ」にはずっと頭が上がらなかったり、スープの冷めない距離に住んでいたり、親の家でパーティをしたり……。多い人では週に1回、少ない人でも月に1度くらい、親と食事を共にすることも海外では珍しいことではありません。

元気なうちの親孝行は期待できない

 でも、日本でそれほど密な親子関係を築くと、マザコン・ファザコンといった依存関係を疑われるでしょう。夫が週に1度、母親に連絡するだけでも、マザコンだと言いきってしまう女性も少なくないでしょう。

 日本では、ふるさとは遠くにあって思うもの。親に会うのは盆暮れ正月くらいのもので、実家に帰ることも少ないため、子どもに対しては、自分が元気なうちの「親孝行」は期待できないものと考えたほうがよいでしょう。

写真はイメージです ©iStock.com

 日本の場合は、親孝行をしたいと考えたとき、すでに親は要介護になっているケースが多いものです。長い間、ほったらかしにしていた罪悪感から、挽回するために介護を頑張る風潮があるのだと私は思っています。

子どもが結婚しないと面倒、しても面倒

 子どもが親と距離を置くのは、あくまで結婚したあとのこと。結婚してしまうと、子どもの配偶者の意見が強くなるため、途端にコンタクトが少なくなりますが、子どもたちが結婚していない期間は、親とのコンタクトは一定に保たれるケースが多いようです。

 しかし、結婚していない場合は、それはそれで心配が尽きません。「子ども部屋おじさん」という言葉が生まれたように、実家を出ずに子ども部屋で30代を迎える成人男性・女性も現代では珍しくありません。

 家賃はかからないし、たとえフリーターをやっていたとしても、趣味に没頭するくらいの余裕はできます。親は子どもがかわいいものですから、自分のところにいてほしいがゆえに、だんだんと独立を先延ばしにしてしまい、不思議なパラサイト関係が生まれてしまうこともあります。

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