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「人生で最大の失敗でした」

 この事件の異例さは、死亡した翔士郎ちゃんと生活を共にしていない赤堀が、碇と同等の保護責任を問われた点にある。その赤堀は、白髪が目立つ髪を束ね、逮捕前よりも少し痩せた身体のTシャツ姿で、6月10日の第5回公判に証人出廷。だが私選で弁護士を雇った赤堀は、「私の裁判がある」として「答えません」を連発、ふてぶてしく証言を拒み続けた。

「これ以上、質問しても続かなさそうなので……」

 裁判長もこう言い、尋問は約20分で終了した。

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現場となったマンション

「赤堀は捜査段階から碇への洗脳を否定。起訴された罪も、全面的に否認している。『餓死したのは母親だけの責任』と無罪を主張する方針のようです」(前出・記者)

 6月14日、検察は「赤堀に騙されていたとはいえ子供を守る行動を放棄した責任は重い」として、碇に懲役10年を求刑。一方、弁護側は執行猶予付きの判決を求めた。そして、痩身を白いブラウスと黒のパンツで包んだ碇の最終意見陳述。

「あの日、赤堀に声をかけたことを後悔している。人生で最大の失敗でした」

 最後、嗚咽しながら亡き愛児にこう呼びかけた。

「翔、ごめんね……」