減量の反動で、泣きながら肉まんを両手に持って食べた日
――そもそも、お2人はどうしてアイドル活動を始めたのでしょう。
ミチ子 私はもともと芸能界に興味があって、「びっくえんじぇる」を始める6年前くらいまで芸能事務所の養成所に通っていました。当時は身長167cmで60kgくらいの標準体型。でも先生に「芸能界を目指すならあと5~6kg痩せてほしい」と言われて、無理なダイエットに手を出しました。水とヨーグルトみたいな生活を半年続けて54kgまで痩せたんですけど、養成所に行くたびに体重を測られるのがどんどん怖くなって、後半はほとんど何も食べられなくなりました。今の私から見たら60kgでもめちゃくちゃ痩せてるんですけど、当時の私は「太ってる、全然ダメ」と思い込んでいました。
――それは苦しい精神状況ですね……。
ミチ子 病院へは行かなかったんですけど、いわゆる拒食症だったんだと思います。でもある日、養成所の帰りにコンビニの前を通った時に揚げ物の匂いがフワッとしたんです。そこから気がついたら両手に肉まんを1個ずつ持って、わんわん泣きながら食べてました。
えりぴよ 揚げ物の匂いで入ったのに、肉まんなんだよね。
ミチ子 そこはほんと謎なんだけどね(笑)。でもその時に、このままだと心が壊れちゃうなと思って、養成所を辞めてダイエットも辞めました。そしたら反動で、今度は過食症になってしまったんです。1日中ずっと食べ続けて、半年くらいで体重は80kg近くまで増えました。太っていく自分が許せないけど、食べることがやめられない。あの時期は地獄でした。
――どうやってその状況を脱したんでしょう。
ミチ子 たまたま書店で「la farfa(ラ・ファーファ)」というぽっちゃり女子向けのファッション雑誌を見つけたのがきっかけでした。ぽっちゃりしたモデルさんが笑顔で水着を着ている姿を見て、すごい衝撃を受けました。「太った人が笑って楽しそうにしててもいいの?」っていう気持ちが湧いてきて、家に帰ってすぐモデル募集に申し込みました。オーディションに合格して撮影に呼んでもらったら、周りの私より太った人が楽しそうにしてるのを見て、太ってても幸せになれるんだ、と気づいたんです。
――「太っている=幸せになれない」だったんですね。
ミチ子 そうですね。でもモデルとして活動するなかで、太っている自分がいろいろなことに挑戦する姿を見てもらったら、体型で悩んでいる女の子たちの「希望の星」みたいになれるかもと思って、おデブアイドルの「びっくえんじぇる」を立ち上げました。
えりぴよ それで私は、みっちゃんが始めた「びっくえんじぇる」の募集を見て応募したんだよね。応募した時点で「唐揚げ」担当は取られてて、マヨネーズになったけど(笑)。
ミチ子 「唐揚げ」は譲れなかった。アイドルで茶色担当もレアだし。