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「自分は駄目なんだ、太っているから可愛くないんだ」

――えりぴよさんは体型についてはどんなふうに考えていたんですか?

えりぴよ 私はみっちゃんと違って3歳ぐらいからずっと太っていて、子供の頃はそれが本当にコンプレックスでした。プールの時間はずっとお腹に力を入れてへこませたりしてましたね。クラスの子や見知らぬ人にもすれ違いざまに「大根!」と言われたりするのは日常茶飯事。昔は「自分は駄目なんだ、太っているから可愛くないんだ」って自分をずっと否定していました。それなのに、痩せたくても痩せられない。人の目が怖いから外にも出たくない、という状態でした。

幼い頃のえりぴよさん

――アイドルとは正反対の精神状態に聞こえます。人前に出たいと思うようになったきっかけはあったんでしょうか。

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えりぴよ コスプレに憧れがあって「死ぬまでにメイド服を着てみたい」と思って探してみたら、ぽっちゃりさんがメイドをするメイド喫茶のイベントの存在を知りました。「75kgの私でもいいですか?」と勇気を出して行ってみたら、みんな私より大きい(笑)。しかも100kgオーバーの人の方がむしろ人気で、「75kgとか細くて物足りない」みたいな雰囲気だったんですよ。こんな世界があるのかと驚いて、それまでの価値観が覆されました。ずっと体型に対してネガティブで自分を否定してきたけど、そんな時間さえも勿体無く感じてしまいました。

メイド喫茶時代のえりぴよさん(本人提供)

ミチ子 よく考えたら75kgってめちゃくちゃ細いよね。今その1.5倍あるよ。

えりぴよ たしかに、いまメイド服着たら人気になるかな(笑)。

痩せてネガティブだった頃が「黒歴史」

――お2人は痩せていた頃を“黒歴史”と呼んでいるんですよね。

©️文藝春秋

えりぴよ 今より痩せていたけどずっとネガティブだったし、今の方が絶対ハッピーですからね。でも言われてみれば、普通はダイエットして痩せた人が、太っていた頃を黒歴史っていうのか。

ミチ子 でも今の方が幸せだもん。痩せていた頃より100倍幸せなので、私たちの場合はやっぱり痩せていた時が黒歴史で合ってると思います。