9月19日、国を挙げて行われたエリザベス女王の国葬。天皇皇后両陛下をはじめ、世界中の要人がイギリスに集まり女王の死を悼んだが、そこに集うVIPや沿道のロンドンっ子たちの様子を見て驚いたのは、もしかすると日本人だけだったかもしれない。

エリザベス女王を悼むイギリス国民。ほとんどがノーマスクだった ©共同通信社

欧米諸国は対コロナの厳戒態勢を解除

 ここ数年当たり前になった「マスク」が全く見当たらない。似たような光景はアメリカにもある。大谷翔平のスーパープレーに沸くスタジアムを見渡せば、観客の口元には白いマスクなどほとんど見られない。

「欧米では社会を平常化するために、重症化しないのなら感染の広がりは許容しようという考え方になりつつあるのです」

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 免疫学が専門の慶応大学医学部教授の吉村昭彦氏はこう解説する。事実、イベント開催や人々の移動の自由化、飲食店の営業規制緩和や、マスク着用の義務撤廃、ワクチン接種証明の提示すら不要にするなど、欧米諸国は対コロナの厳戒態勢を解き、コロナ以前の生活を取り戻しつつあるように見える。