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「それは科学的な情報に基づいて政策決定を下しているからでしょう。2022年1月に科学誌ネイチャーに掲載された記事で、現行のワクチンはオミクロン株に対して感染予防の効果は下がるものの、重症化を防ぐ効果は十分維持されるということが報告されています。政策立案者はこうした最新の知見をもとに、現実のコロナ対策を決めていると思います」(吉村教授)

オミクロン株による感染者の増加

 しかし我が国ではいまだマスクの着用が奨励され、3度、4度と躍起になってワクチン接種を勧められる。よその国がかつての日常に回帰しようとするなか、我々の平常はまだまだ戻ってくる気配がない。

「日本におけるコロナ対策で最も重要視されているのは感染予防効果、つまりPCR陽性者を出さないこと。ここに認識のギャップがあるのでしょう。ワクチンによる抗体(液性免疫)は、接種してから半年も経つとほぼゼロにまで下がります。だからメディアや専門家の一部は『感染予防効果を持続させるために、何度もワクチンの追加接種が必要』と主張しますが、爆発的に感染の増えているオミクロン株は、ワクチンによって作られた抗体を回避するので、感染予防効果は著しく下がっています」(吉村教授)

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この人のマスク姿は当たり前 ⒸJMPA

 確かに岸田文雄首相は4回目のワクチン接種を行ってから10日も経たないうちにコロナに罹患したのだった。