「デブ界の橋本環奈」というキャッチフレーズをひっさげて今年、彗星のごとく現れたインフルエンサーのえみっくすさん。北海道出身、アイドル好きで、元SEという異色の経歴を持つ彼女は、いかにして芸能界に飛び込んだのか?
新時代美少女・えみっくすのこれまでについて直撃した。(全3回の1回目/#2、#3を読む)
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痩せたくて過食嘔吐を繰り返した「メイド時代」
――アイドルになるのが夢だったとのこと。いつ頃からですか?
えみっくす 物心ついた頃から、歌やダンスが好きでした。教育に厳しい家だったんですが、高校生の時に「勉強を頑張る」という約束で、芸能養成所に通わせてもらってもいました。でも卒業を前にして、親からは「いつまでも夢見てないで、大学に行って、まともに就職しなさい」と言われて……。
同じ養成所からはAAAの西島隆弘さんとか、デビューした方も沢山いたんですけど、正直私は程遠い位置。外部のオーディションを受けても書類選考で落ちるのが当たり前で、自分には素質がないのかなと思うこともありました。だから、割とすんなり大学進学を決めたっていうのは、あるかもしれません。
――大学時代は、メイド喫茶でアルバイトをしていたそうですね。
えみっくす アニメとかが特別好きだったわけではないんですけど、大学1年生の頃、札幌にメイド喫茶が出来始めて。そこではステージで歌う仕事もあって、人前で何か表現することにはやっぱり魅力を感じたんです。
その場所へ、私のためにお金と時間を使って誰かが会いに来てくれるのは純粋に嬉しくて、多い時で週5日働いていました。ただ、メイド喫茶は、男性のご機嫌をどれだけとれるかが重要な場所。なのに、私は媚びるとか、ぶりっ子みたいな言動はすごく苦手で……正直人気はなくて、落ち込むことは多かったです。
――求められるものと、なかなか応えられない自分の間で苦しんだ。
えみっくす 働き始めた頃は、体重が50キロ台後半で、ダイエットを頑張ったら50キロ台前半。それでも、そこでは「太ってるんですよね。制服がパツパツだ」とか、悪口が控室から聞こえたり、お客さんから掲示板に書かれたりすると、ストレスが膨らんで……。
1日のアルバイト代を全部食費につぎ込むほど、めちゃくちゃ食べていました。バイトが23時に終わったら速攻コンビニに行って、2つか3つ残っているお弁当をとりあえず全部。あとポテトとかチキンとか、片っ端から買って胃に詰め込む感じです。
一方で、常にダイエットしなくちゃ、という意識もあるんです。1週間何も食べないとか、過激なこともしました。いわゆる過食嘔吐をした時期もあります。吐くのは苦手でやらなくなりましたが、体はフラフラで、肌荒れも酷くて。結局、メイド喫茶は1年ぐらいで辞めました。