文春オンライン

2022/09/27

リターン無しの寄付型で朝日は失敗していた

 さて、いろいろクラウドファンディングについて調べたところ、2021年に朝日新聞が高校野球支援のためにおこなったケースがありました。概要をまとめると、次のようになるでしょうか。

 2021年、コロナウイルスの蔓延により甲子園の運営が窮地に立たされる。観客の入場料で賄っていた運営資金が無観客試合への移行、消毒などの感染対策による経費の増大により危機的状況に陥った。主催の朝日新聞は自社のクラウドファンディングプラットフォーム「A-port」で1億円を目標に支援を呼びかけた。しかし、最終的に集まったのは目標額からほど遠い1400万円足らず。朝日新聞のケースは賛同者へのリターンがほぼない「寄付型」のクラウドファンディングであったことが影響したとみられる。

 なんだぁ、朝日新聞も今回の産経と似たようなことをやっていたのか。しかも朝日は失敗していた。リターン無しの寄付型という強気が裏目に出たようだ。高校野球の“美しさ”とか“純粋さ”を全面的に掲げさえすればカネだって集まるだろという、朝日の建前と本音がそのまま見えたような事例です。

国葬を強行した岸田首相 ©文藝春秋

税金があまりかからないセレモニーの方法があったのでは

 今回の産経のクラファンの件でわかったことは安倍元首相への弔意を金額でも示したい方がたくさんいるということだ。

 私は7月の当コラムでまさに産経新聞の記事を紹介し「国葬」について書きました。

 その中で注目したのは「国民葬」でした。産経は過去の国民葬について「内閣と自民党、国民有志が共同で実施。費用はそれぞれが支出した」と解説していたからです。これだと税金投入は一番少なそうだし、国民有志からかなり費用が集まりそうだと思い「むしろ国葬より盛大な式ができる予感もする」と書きました。

クラファンには賛同者が殺到したという(産経新聞 2022/9/27付け)

 産経の寄付に応募した人たちの多さや熱さを見ると、税金があまりかからないセレモニーの方法がやはりあったのではないか? とつくづく思ってしまうのです。

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